2004.05.16

「頑張りすぎる人」が会社をダメにする―部下を無責任にしてしまう上司の法則―

トップダウン型、ヒーロー型のリーダーシップの限界が指摘され始めてからコーチングが注目されているが、どうにも「笑顔を絶やさず」といったレベルの細かい手法の話に陥りがちであまり琴線に触れてこなかった。が、久しぶりのヒットに出会ったのでちょっとオフトピック。
ロジャー・マーティンの 「頑張りすぎる人」が会社をダメにする―部下を無責任にしてしまう上司の法則―。私はわりとそういう上司だったりするので、恥ずかしい話だが、マネージメントには少し苦手感を持っている。この本は、そういう人にも、またそういう上司に出会ってしまった人にも勧めたい。
「責任量保存の法則」というのが出てくる。いわゆる熱力学の法則のように、片方が責任範囲を増やすと、もう片方は減らす方向に働き、合計の責任量が同じになる、という主張。危機に際して自分で取ってしまうと、相手は引いてしまう。これは関係の問題で、放置しておくとお互いに不幸になるが、適正量に戻すにはお互いの努力が必要で、どちらからでも切り出すことができる、という理論を展開し、そのために有効となるツールや手法を紹介している。
ちょっとボリュームがあるかもしれないが、例を多く引き、共感を覚えられる形にして、仕事上の関係を中心にしながら、この問題はリーダーシップとフォロワーシップが存在するところには必ず起きうるので、個人関係にもありうる、という話まで触れている。
仕事を数年していれば、「ああ、この人はコントロールしたがっているな」と思って手を引くケースがあると思う。その相手は上司だったり、取引先だったりする。その時に少し工夫することで、自分がもっと貢献できることがある。身につまされる話も多いが、同時に次はもっとうまくやれそうだと感じさせてくれる本だ。

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