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2004.05.15

IPv6 続き

IPv6 本を続けて読んでいる。最初のは IPv6―次世代インターネット・プロトコル。出版が 1996 年と古く、内容も古い部分があるが、軽く読める。技術的内容も多いが、著者クリスチャン・ウイテマの熱意的な部分を感じるためだろうか。
結論がまた感慨深い。「負け惜しみ組は、IPv6 には飴が足りないというだけでなく、鞭も足りないという」と言いつつ反論するわけだが、やっぱり現実はそうなんだと思う。IPv6 にネガティブな感情をあまり持っていないつもりだが、学ぶほどに移行する理由が見えない。もうちょっと勉強すれば見えてくるのかと思いつつ勉強を続けているわけだが、まだ見えない。
IPv6 のメリットの 1 つに Plug-n-Play がある。冷蔵庫に IP アドレスを割り振る時、誰も DHCP を使いたくないだろう、という問題。で、ホームゲートウェイとかって議論が一時期あったわけだが、ADSL 普及がここまで進んだ現在、すべての ADSL ルータは DHCP を持っている。IPv6 組は、当初は必要だったかもしれないけど、今の時勢で考えれば要らないくなったものを整理するべき時期なのかもしれない。
NAT の善悪もよくわからない。1996 年には、NAT は厄介者だったのだと思う。グローバル IP アドレスという概念から考えると、IPv4 のアドレス空間は枯渇する。しかしグローバル IP アドレスは国民総背番号制のようなもので、すべてにユニークな ID を振りさえすれば解決する、という、IPv4 の延長線上の考え方に見える。対して NAT は、それぞれの空間内で独立管理している、村ごとの番号体系じゃないだろうか。村ごとの番号体系に問題があった時、世界番号体系に移行すればいいのか、村ごとの番号体系の連携方法を定めればいいのかは、出発点が大きく違う。セキュリティをほとんど気にしなかった 1996 年には、世界番号体系が魅力的に映ったかもしれない。管理する側には、管理しやすいモデルが魅力的に見えるものだ。
NAT は、出て行く通信に関して村の連携を定めて動作している。外から入ってくる通信に関しては動作しない。しかし世界番号体系を使っても、ファイアウォールがある限りやっぱり動作しない。ファイアウォールが大企業にしかなかった 1996 年と、すべての Windows XP SP2 に装備され、PC 単位でもファイアウォールがデフォルトでオンになる世界では、必要な技術が違うように思える。必要な技術は、2 つのネットワークを安全に分離しつつ、必要な通信を行える技術ではないだろうか。そしてそれができて、国や ISP がそれぞれ分散管理する、DNS のようなシステムの方が、セキュリティやプライバシーの重要度が高い現在の時流には合っている気がする。
IPv4 と IPv6 はいわゆるよくある「改良対作り直し」議論なのだと思う。既存のシステムに問題が出た時、作り直したいという感情は必ず起こる。しかし作り直しにコストや時間がかかる場合、作り直しが終わる前に改良で済んでしまう。それを長い間繰り返し、どこかで緩やかに作り直し側に遷移する場合もあるし、改良組が結局残る場合もある。
作り直し組の IPv6 がどうなるかはわからない。しかし、その結論はまだでない気がする。こういう議論には、結論が出る時期というのがある。その時期は後から見れば分かるが、前もってはなかなか分からない。近づいてくると予感のようなものがあることもある。しかし IPv6 に関してはまだ予感を感じない。まだ時期じゃないんだなぁ、という気がする。
Windows "Cairo" は作り直そうとして消えてしまったが、Windows XP は Windows 95/98/Me を後継した。IPv6 は、Cairo なんだろうか、XP なんだろうか。今はまだ分からない。そういう面白い時期にこの業界にいることを幸運に思って、行く末を見て行きたい気がする。

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不勉強がばれてコメントを付けられてしまいました。のでとりあえずもうちょっとちゃん [Read More]

Tracked on 2004.05.21 at 07:15 PM

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